ロッカーが詰まっていた、飛び立っていった。「シンクロナイズド・ロッカーズ」
- アーティスト: オムニバス,Mr.Children,YUTA.TOSHI.CHIHO and JIRO’S SESSION,ストレイテナー,ELLEGARDEN,The ピーズ with クハラカズユキ,noodles,YO-KING,佐藤竹善,GOING UNDER GROUND,SALON MUSIC
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2004/09/16
- メディア: CD
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◆原石をコンプリートしていた
このアルバムが発売されて13年が経ち、自分がこのアルバムを聴いてから10年以上経った。聴いたのが中学生の頃だったせいか、今も驚くほど色あせないで聴くことができる。
改めて参加アーティストを見ると、その豪華さに驚いてしまう。ミスチルは今も国民的バンドのままだが、バンプはそれに迫る勢いで成長し、テナーは人数が倍になり、そしてエルレは伝説となった。聴いてた当時は想像もしていなかったが、参加アーティスト名を羅列しただけで、すごいアルバムになってしまった。先見の明と言うのが適切かは分からないが、ロッカーの原石を集めていることが非常に興味深い。
そんな先取りをしたおかげで、Funny Bunnyはエルレの曲、ハイブリッド・レインボウはバンプの曲だと若い子は勘違いをしてしまうそうだ。
◆トリビュートアルバム入門編、ピロウズ入門編
「若い子は~」と言っているが、自分だってピロウズの入りはこのアルバムだから偉そうなことは言えない。これを聴いてから、オリジナルのアルバムに手を出して聴いてきた。
原曲とトリビュートを聴き比べて、「ストレンジカメレオンはサビの歌いまわしが綺麗でミスチルのほうがいい」「ハイブリッドレインボウはシャウトの感じで原曲のほうがいい」と比較をしていた。
そのうちそういう比較が不毛だと気付いた。原曲がいいとか、原曲に近いアレンジがいいとか、アーティストの技量とかが問題ではない。参加したアーティストが楽曲と真正面から向かい合って出した答えを披露してくれるのがトリビュートアルバム。そんな楽しみ方を教えてくれた一枚でもあった。
◆大御所にも出会えた
参加していたバンドの若手(当時)をピックアップしたけど、大御所側もすごかった。ピーズにYO-KING、佐藤竹善など。知ってはいたけど何から聴けばいいのか…という存在に触れることができた。
特に、佐藤竹善の「カーニバル」は強烈だった。そつないようで、身体の芯まで響いてくるソウルフルな歌い方、サビの最後でのおどけ方もファンキーで抜かりない。ロックを聴き始めて半年弱ぐらいの時期にこれに出会い、それまで聴いてきた歌とは全く違う存在、こんな自在な歌い方ができるアーティストがいることが衝撃的であった。
◆音楽と音楽環境の思い出補正
このアルバムを聴いたのは中学2年生の頃。自宅にあるパソコンはボロボロでネットは繋がらず、CDのコピーすらできなかった。週末は電車を撮るためにお小遣いを使っていた自分にはCDを買うのはおろかレンタルして手元に残すのも一苦労だった。そんな思い出補正もかかってか、このアルバムが今も輝いている。
余談だが、大学一回生か二回生の夏に「休みの間にピロウズのアルバムをぜんぶ聴く」という目標を立てたが、5枚目くらいであえなく撃沈した記憶がある。今なら全部聴けるかな…でも体力に自信がない。
パソコンとそれに繋いだオーディオで、apple musicから取り込んだ楽曲を聴ける毎日になった。10年前のことがちょっと懐かしい。
この記事を書こうと思ったのは、先日、ストレイテナーのトリビュートアルバムが発売されて、それにピロウズが参加しているのを発見したためである。13年越しに逆に参加するという流れがかっこいいなと感じた。上から目線だが、それだけストレイテナーが成長できたんだなとも思う。また歌ってる曲がいいんだよな…この感想もそのうち。