最先端の水辺を進む sui sui duck「feel」
例によって例のごとくラジオを流していると、面白い曲が流れてきた。最近の流行かつ自分自身もハマっているポップなサウンドの上にシンセが乗っかっている。先端の音楽を破綻せずに織り交ぜている。
バンド名は「sui sui duck」。可愛らしくて覚えやすい、いい名前。
(引用:https://www.suisuiduck.com/biography)
でも写真を見ると…あまりスイスイしている感じではない。
アートワークが非常に充実していることが面白い。サイトの構成やデザイン、ロゴが取っつきやすい。バンドよりも一つのアートチームを眺めているような感覚になる。
(でもlyricのページがリンクずれてたりURLがおかしかったりしてるから直してほしいな…)
最初に聴いた曲は最新EPのリード曲「feel」。ポップなのか、でもシティポップのようで、けれどEDMでもある…?ジャンル分けをしようと思うと難しいサウンドだ。冒頭にも書いたが、破綻なく織り交ぜていることで、自然と耳がいく。
歌詞が非常に聞き取りづらい。英語かと思うけど、よく聞くとほぼ日本語で歌っている。日本語を崩し気味で歌うバンドは今にはじまったことじゃないので悪いとは全く思わない。むしろ、音楽としての浮遊感が高まっていて効果的であると思う。
詞を見てみると(公式サイトに掲載されていた)、情報量が多いことに驚く。かなり畳みかけるように歌っていることが読むことで分かった。
2曲目「circle」では、バンドの視点と言うか世界観というか、どのような切り口を持っているかがより明確に示されている。
対比的な僕ら違いを間違いと言う
理知的な論を少し展開してみない?
私的になった電卓各所でミスを誘発
功利的な案を少し展開してみない?
なかなかアイロニカルな詞で興味を惹いた。サウンドに引き込まれているばかりだと歌詞で思わぬカウンターを打ってくる。
5曲目「pepper」では、ポップな一面がより強調されている。軽くはねているサウンドとゲームのような歌詞が程よいスピードで展開されている。韻の踏み方も相まって、この曲もやはり日本語には聞こえにくく、洋楽かと錯覚する。
カテゴライズが難しいバンドだが、様々な面で現代的、最先端だ。音楽が洗練されたバンドも大好きだが、新しいものへの貪欲さがあるバンドが出て来るのは心強い。
音源やネットのアートワークばかり注目しているが、実力が非常に気になる。ライブに足を運んで確かめてみたい。結成から日が浅いから…と思ってなめてかかるといい意味で裏切ってくれることを期待している。