UKとJapanの最適解 Newspeak「What we wanted」
Newspeak - What We Wanted (Official Music Video) - YouTube
すごいのが出てきたぞ。
英語詞だが、世界観は日本人のそれであるのが面白い。直喩が中心の、私小説みたいなストーリーは最近の潮流に乗っかっている。サウンド的にも、来歴的にも洋楽っぽさが強いけれどこれは邦楽ロックだと実感させられる。
演奏が上手い。サウンドメイクがドン引きするぐらい良質だ。
淡々としているように感じるボーカルは線の細さはあるが、それを補う高音域の伸びが強い武器となっていて心地よい。抑揚もきちんとある。
キーボードがこれだけ主張するバンドはちょっと珍しめかも?と思いつつ聴いているとテーマの取り入れ方、歌わせ方が絶妙。常に鳴っているわけではないのにバンドのメロディの根幹を果たしている。
持ち味の多さに驚かされたのはドラム。トリッキーな入り、変幻自在のパターン、でも引くところは引ける楽曲の把握能力。ジャンルをちょっと越えた音楽性の広さを感じさせ、ワクワクする。踊れる音楽として作っている立役者だ。
一方で、ギターの表現力が終始物足りないこと、ベースの立ち位置がフワフワしていることがやや気になる。特にギターはキーボードとのバランスが取りきれていないのかな?という印象だ。もっと主張するなりキーボードとの掛け合いを見せてくれると更に楽しくなる。
第一印象は、ジャンルをちょっと超えた音楽であると感じた。ロックとEDM、あるいはジャズ、フュージョンなどの音楽性と、日本とイギリスといったバックグラウンドと、多くの要素を持ち合わせている。邦楽ロックの血液が圧倒的に濃いのだが、様々な要素が垣間見えることで、ジャンルを少し超えたように受け止めることができる。それ故に踊れたり、歌えたりする。決して主張し過ぎない今のスタイルが本当に良いと思うので、これを大切に育てて欲しい。
まだアルバムを出していないというのでまた驚いた。ポテンシャルを秘め過ぎている。(8月に書いたのでそのままだった…本日アルバムリリース!!)
youtubeの再生数もまだ伸び悩んでいるようだが、はやく多くの人に聴いてもらいたくて仕方ない。