ロキノン爺の逆襲

音楽のことをつらつらと。主にアルバム、曲のレビュー

もう一本の仲間たち

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※本エントリはマンドローネ Advent Calendar 2021 - Adventar の13日目の記事です

 

三段式寝台と申します。ハンドルネームの通り、普段は撮り鉄をしたり鉄道ニューズを見ては騒ぐのTwitterアカウントですが、実はマンドリンオーケストラでベースを弾いております。
ローネとは切っても切れない関係のベース。繋がりが生まれ、共に戦った高校マンドリン部の思い出をお話しします。なお、ローネへの考え方は当時の記憶をもとに記載しています。

(写真は定演リハ中の後輩くん)

 

遭遇

静岡市内の高校に入学。部活の見学でマンドリン部を訪問しました。年の離れた兄がかつて所属していて、大阪は森ノ宮のホールまで演奏を聴きに行った記憶が残っていたため入学前から気になっていました。
練習場でまず見たのは、希望していたコントラバスと、その隣にいた巨大なマンドリンでした。比較的馴染みのあったマンドリンオーケストラのなかで見覚えのない楽器がマンドローネでした。楽器の下から棒が生えてる……なんだあれ?

 

合流

演奏の迫力と曲のかっこよさで大きな衝撃を受けた定期演奏会。そのあとは迷うことなく入部届を提出しました。幸いにも念願のベースパートへ入ることもできました。
ローネについて、この楽器は学校に1本しかないこと、ベースパートとして練習していること、全国でも珍しい楽器であること、特に高校では全国大会出場校でもほぼいないことなどを教えてくれました。
全国大会が終わり、代替わりと共にローネと合流。7月の代替わりから11月の県大会までは先輩がローネを弾いていました。ベースの先輩もいましたが、もう一人先輩がいることや自分の拙い演奏をカバーしてくれるのが心強かったです。

ちなみに、当時のローネ担当は県大会が終わった1年生の11月から、翌年11月の県大会までの所属期間となっていました。

 

共闘

県大会が終わり、奏者が同期へと変わりました。奏者がなかなか決まらず話し合いは紛糾し、その末にギターパートからお迎えすることになりました。
彼はそんなゴタゴタを引きずる素振りは見せずにいてくれたことに救われました。かなりの早さでトレモロを習得し、ギター出身ということを感じさせずに戦力となってくれました。3か月後の東海大会で演奏したアマデイ「吟遊詩人」ではよく飛ぶ音で存在感を示してくれました。

 

交代

定期演奏会、文化祭とベースパートで難曲を次々と乗り越えていきました。
この間に地元の演奏会、東京の演奏会でローネを聴く機会がありました。さらに東海大会では2校しかないはずのローネがもう1校出ていて同期とざわついたりしました。
高校からマンドリンオーケストラに関わっている人間としてはローネに触れる機会が多いほうだったのかなと思います。

そして吹田の全国大会を終えて代替わりし、自分はベースパートのパートリーダーとなりました。

 

指導

ベースだけでなく、ローネも見なければならないパートリーダー。あれこれ悩むのは楽しかったものの、今思えばコントラバス奏者がマンドリン系の指導をするのは負荷が高かったかなと。
演奏では音の立ち上がりが遅いベースをサポートしてくれる役割、セロとベースの音域差を埋めてくれる役割、ベースパート全体でピッチを安定させてくれる役割に支えられていました。

 

パートのまとめ方がちょっと分かってたきた頃にローネの奏者が交代し、ドラ出身の後輩となりました。トレモロは申し分なしでしたが、最初は何を教えれば良いか分からず、セロのトップにパート練を手伝ってもらいました。
ローネにベースの補助的な役割しか与えられないことに疑問を抱くようになり、どうすれば存在感を引き立たせるか、ベースやオケと調和できるかを四六時中考えていました。

せっかくなのでTwitterの過去ログを見てみたら、当時は音の広がり方(トレモロ)を重視していたようでした。刻みとか強い音を求めてた気がしましたが、どこかで記憶が汚染されてる……あれ?

 

引退

引退の全国大会で弾いたのはアマデイ「中世の放浪学生」。ベースはバランスが難しい曲でしたが、ローネがいることで音の厚みを増すことに成功したかなと思います。
特に音の重みが求められない場面では、ベースは恐る恐る弾かざるを得ませんでした。どうしても滑走した音になる中でローネが芯のある単音を出してくれるのは大変頼もしかったです。
全国大会は結果を出せず、悔いが残ってしまいました。しかしその悔しさがマンドリンオケで弾き続けるきっかけとなりました。多くのローネ奏者さん達と出会い、共に演奏することになったのはまた別のお話……。

 

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いざ書き出してみるとあやふやな記憶の整理ができ、楽しかったです。Twitterの検索コマンドも役に立ち、痛いツイートや縁遠くなってしまった友人が出てきて胸が苦しくなりましたが、当時のリアルな呟きは大変参考になりました。ローネは結構悩みながら向き合っていた痕跡が出てきてちょっと驚きました。

ここ数年、マンドローネと一緒に弾く機会がなく、少し寂しいです。またあのワイルドな音の隣でベースを弾きたいなと思っております。